2007年6月6日
「呆れてばかりでは仕方が無いから・・・。」
今から約三ヶ月前にアメリカで始まったペットフードの汚染問題は、いまだに収束の気配を見せていない。
アメリカでは、個人でフードを検査するペットオーナーが増えてきており、その分析結果を本人のウェブサイトやブログに掲載したりしています。
その結果、リコールリストに無いフードからシアヌル酸やアセトアミノフェン(解熱鎮痛薬の一種で肝臓に対して毒性があり、犬や猫では少量の摂取で中毒する可能性がある)が検出され、この問題の根深い深刻さを物語っています。
中国の食材の問題は、もはやペットフード云々のレベルではないと、以前の項に書きましたが、多くのフードメーカーを傘下に抱える多国籍企業の問題隠蔽、顧客軽視、度外れた利潤追求の姿勢が、悪質な中国の食材商社の付け入る隙を生んだのでしょう。
一連のペットフードリコールに関する流れは、こちらの情報ブログが解かり易く解説して下さっているので、ご参考にして頂けると思います。特に、「メラミン汚染原材料の流れ」のコンテンツは、とても解かり易いと思います。
・ペットフード事件簿
ttp://petfoods.blog99.fc2.com/
さて、はっきり言ってこの話題はもう辟易していますし、あまり後ろ向きのことばかり書いても悲しくなるばかりなので、少し前向きで建設的な事も始めたいと思って、猫の栄養や健康の事について、少し突っ込んで勉強してみようと思っています。日本人は勤勉な民族と言われますが、こと消費に関する限り、売り方任せで知識も乏しく、とても勤勉とは言えないと思っています。その事が、1つの流行があると多くの人がこぞってそこに雪崩れ込むという、世界にも稀な現象を生んでいる原因の1つに思えます。
専門書は難しい上に、退屈で読み難く、辛い事も多いかと思いますが、一緒に暮らす猫達の生態について、もう少しだけ論理的に、物理的に、科学的に詳しくなりたいものだと思っています。そのほんの少しの努力が、声を上げる力を与えてくれて、人の健康を利益に変えようという者達に対抗させてくれるのではないかとも思えるのです。
食材の問題に加えて、最近の年金問題などを鑑みるに、国だから、大きな会社だから信用でき信頼できるという時代は、既に遠い過去のものになってしまったのだと痛感します。
亀の歩みだとは思いますが、理解した事を出来るだけ解かり易く皆様にお伝えしたいと思い、現在ご飯と健康のコンテンツの更なる拡充を目指しています。私達が知った事が、少しでも皆様の愛猫さん達の幸せに繋がれば、と願っています。 |
2007年5月8日
「分析結果は安全を証明していない。」
今月初めから、フードメーカーの代理店二社が、メラミンに対するフードの分析結果を示して安全を謳っていますが、これは好意的に捉えれば舌足らずのデータ不足、悪くとれば論理のすり替えをして消費者に『安全』という印象を与える為とも考えられなくはありません。
多くの消費者は物理や化学に弱く、データや実験結果などが示されると無条件に受け入れてしまいますが、示されたものが的確に消費者が問題としている事についてのデータかどうかには注意が必要です。
今回の公開されたメラミン検出分析結果の場合、10ppm或いは0.001wt%とされる基準値は、あくまでも実験上のルールにおける基準値で、下回ったからといって安全が証明された訳ではありません、安全基準値でもなんでもないのです。単に、『検体のメラミン含有量は10ppm未満であった』という実験結果が出て『実験のルールとして10ppm未満は検出されないという事と同義としているというルールにのっとれば非検出でしたよ』、という事を示すものです。それ以上でも、それ以下でもありません。この結果を示して安全を謳うのは早計であり、不用意であると言わざるを得ないと思います。
メラミンがどの程度の量で、犬や猫に健康上どのようなトラブルを起こすかは解かっておらず、10ppmという基準値が適正であるかどうかには大いに疑問があります。入っていてはいけない物質で『汚染』されていた訳ですから、より慎重を期して基準値を1ppm辺りに設定すべきなのではないでしょうか?今回の基準値による分析で安全を謳いリコールをしないというのは、消費者に対して『本来、入っていてはいけないものが入っているかもしれないが、影響は無いから食べろ』と言っているととられても仕方が無いですね。
また、米国獣医師会は死亡した動物の尿サンプルからシアヌル酸を検出しており、メラミンとシアヌル酸が化学反応によって結晶化し、腎臓の機能を阻害された可能性があると考えています。更に、リコール対象のフードによる影響を受けていた動物の腎臓内にあった結晶を分析すると、シアヌル酸70%とメラミン30%で構成された極度の不溶性物質であったことが判っており、症状としてはメラミン単体よりもシアヌル酸との化学反応によるものの方が、急速であり深刻であるとの見方をしています。
安全を証明する為の分析であれば、なぜシアヌル酸の検出分析をしないのでしょうか?
検出・非検出を判断する基準値に安全上の論拠や客観性が無く、且つ、他方の汚染物質については触れずに安全を謳う事は、大いに早計と感じますがいかがでしょうか?
今回の分析結果による安全宣言が、いかに思考誘導的で危険であるかを、立場を逆にして書いてみましょう。
例えば、ペットフードの話題としては、もうクラシックな感のある三大抗酸化物質のひとつ、エトキシキンですが、日本食品化学研究振興財団によれば、食品に残留する限度量の基準値は、リンゴや梨で3ppmだそうです。ペットフードの添加剤としては、4ppmを超えるか超えないか辺りが、添加されているかいないかの判断のボーダーラインと言う方もいます。
このような書き方の後で10ppmと書くと、数値がとても大きく感じられませんか?エトキシキンとメラミンとは何の関係も無いにも関わらず。それどころか、この10ppmという値にメラミンのみならず、他の物質についても意味を持つ値なのかという想像も誘起します。
いやしくも、自社の製品を購入頂いている消費者に対して安全を証明すべき立場にあるものは、無意識であろうと意識的であろうと、決してこのような思考誘導となるような物言いをしてはいけないと考えます。常に、『李下の冠』という言葉を胸に、真摯で慎重な行動をとって頂きたいものです。 |
2007年5月1日
「力が抜ける・・・」
アメリカのFDAが、中国産の植物性蛋白質の輸入禁止措置をとりました。一連のペットフードリコールの原因物質の1つであるメラミン汚染原材料が、人間の食肉用豚と鶏に供給されていたということで、もはやペットフードという枠だけではなく、人間の食材にも影響していたという事です。
また、カナダのCTVによれば、中国のKaiyuan Protein Feed companyという会社のマネージャーWang Jianhui氏は、電話インタビューに答えて、「我々は、『過去15年間』メラミン入り食材を出荷しており、顧客達から歓迎されている。(原文:We've
been running the melamine feed business for about 15 years and receiving
positive responses from our customers.)」と、既に15年前からメラミンが『意識的に』植物性蛋白質に混ぜられている事を誇るかのような発言をしています。
翻って、我が国の対応ですが、医薬食品局が最初に汚染物質を輸出したとされる、Xuzhou Anying Biologic Technology
Development Companyのグルテン入り製品について、自主的に積み戻し又は廃棄を行うようにという指導をするようにという業務連絡をしたにとどまっているそうです。
人の食材も汚染の危機に晒され(既に汚染されているのかもしれませんが)ていると言ってよい状態なのですから、もっと毅然とした対応をとって頂きたいものです。
『the melamine feed business』などと発言する経営者が大手を振って営業できるような環境から輸入した毒入り食材を食べさせられるのは、ご免蒙ります。
この問題、いったい何処まで拡大するのでしょうか?書くたびに絶望感と脱力感で力が抜けてしまいます。 |
2007年4月25日
「とどまるところを知らず・・・」
日々拡大しつつある、アメリカのペットフードのリコールに、なかなかこの話題から離れる事が出来ません。
今回のリコールをきっかけに、猫の食事について思うところをアレコレと綴ろうかと思っていたのですが、リコールの拡大の方が劇的に凄まじ過ぎて、今しばらくはこの話題になりそうです。
3月中旬に始まった、アメリカのペットフードの原材料汚染によるリコールですが、当初の小麦グルテンだけではなく、コーングルテン、ライスグルテンという、穀物由来の蛋白の主要品目全てと言っていいレベルになって来ています。
汚染物質も、ネコイラズに代表される殺鼠剤成分のアミノプテリン、プラスチックの原材料であるメラミン、プールの水の消毒剤に使われるシアヌル酸と、これはもう、以前に是非が問われた保存料使用の有無とは比較できない程に深刻な問題です。意図の有無の真偽は判りませんが、穀物グルテンにプラスチックの原材料であるメラミンを混ぜると、蛋白価の測定で実際の値より高く計測されるために、より高額での取り引きが可能となる、その為に意識的に行われている、という意見も出ています。
今回のリコールに関連するライスプロテインをアメリカに輸入した、W○-E○社は、日本にも代理店があり、穀物や飼料を取り扱っています。アメリカでは、議員が検査と情報の開示を要請するような状況ですが、日本の代理店のウェブサイトには、今日の時点でも何らかのリリースどころか、全く触れられておりません。フードメーカーの代理店も、科学的なデータによって日本で販売されている製品の無関係を証明した、或いはその準備中である旨を謳っているところは、私の知る限り皆無です。
このような状況になってくると、今まで何度も目にしてきた、「合成保存料や添加剤は一切使用せず云々・・・」や「新鮮な〜人間も食べられる云々・・・」などのキャッチフレーズも、「ホントなの?」と疑いたくなります。
日本には、ペットフードに関する法的規制は有りませんし、FDAの様な組織も有りません。この上、販売する商社や代理店に信がおけなければ、私達消費者はどうすればいいのでしょうか???
私は、どうやらそれが現状なんだな、と思いはじめています。
とても悲しい事ですが・・・・・。 |
2007年4月6日
「食の安全性は・・・」
ここ数年、日本国内でも「食」についてのトラブルは多かったと思います。牛肉の産地偽装や、食肉加工会社、大手乳業、そして最近の大手菓子会社と、目立ったものだけでも、これだけ食品産業のモラルが低下しているのか(或いは、元々低かったのが知られていなかっただけなのか?)、と愕然とさせられてしまっています。
食べ物は、私達人間にとっても、健康や生死に直接繋がるものですから、もっと高いモラルを持って欲しいと切に思います。そして、消費者も不正を許さない厳しい目と態度を持たなければいけないと思います。
そんな「食」トラブルの中でも、中国産の食材や原材料のそれは、程度が違ってひど過ぎると思っています。記憶にあるだけでも、野菜の禁止農薬の大量使用、食用養殖魚に鑑賞魚用治療薬の大量使用、工業用塩の食用不正使用。また、ここ数日には、食用加工肉に対する発がん性を有する工業用染料の使用など、枚挙に暇がありません。全て、人間の食材のことなのです。
アメリカで拡大しつつある、ペットフードのリコール騒動も、問題の中国の輸出商社からの該当原料の輸入禁止、関連輸入商社のリコールにまで発展しています。今回のリコールでは、900トン弱の小麦グルテンが、3つのペットフード会社(リコール騒動のメニューフード社がこれに該当するかは不明)と1つの卸会社に出荷されています。しかし、輸出元の中国の商社は、年間約10000トンの小麦グルテンを出荷しています。残りの約9100トンは、何処に行っているのでしょうか?
このような事態にきちんとした対応がなされていかない限り、残念ながら私は中国産の食材は敬遠せざるを得ません。現在私は、食材から加工食品、ペットフード等、自分の周囲のあらゆる食べ物について、中国産、または原材料に中国産を含むと疑われるもので、製造会社が仕入先の開示等の確たる否定をしない物は一切購入しない事にしています。
中華料理の好きな私には、これはかなりきつい事なのですが、安全には代えられません。それで、食の安全に関するリスクが無くなったなどとは全く思いませんが、あまりにも度を超えたものには、それなりの対応をしなければ、と思っています。
中国は現在、工業的発展の最中です。日本にも同じような時期があり、水俣をはじめ、様々な食の汚染がありました。その時代の国の志向や勢いから生まれてくるひずみの様な事象なのかもしれませんが、その犠牲になるのはまっぴらですし、早く安心して中華食材が購入できるようにして欲しいと願っています。そして、不祥事の続く日本の食品業界も、これらの事を鑑みて襟を正して頂きたいとも願っています。
人でも猫でも、食事は健康と生命を維持するための、美味しく楽しい時間であって欲しいものですね。 |